外壁の下地工事

外壁下地の終った全景
近畿縦断の台風7号が通り過ぎました。現場は無事でひと安心。
大きめの窓にガラスや障子がまだ入っていなかったので、中からベニヤで押え、外にはブルーシートがしっかり掛けられていました。

外壁の下地とひとくちに言ってもイロイロなものがあり、実は、家の寿命や基本性能を左右するところがイロイロあります。
外壁にしても屋根にしても、まずは雨風から暮らしを守る必要があります。断熱性能やらとかく言われる昨今ですが、なにより家が長持ちしてほしい。単純な話です。
仕上材はピンキリありますが、高価な仕上をしても下地の材料や施工が悪ければ家は長持ちしません。

前回記事と同じ事を書いてしまいます。見えないところにお金を掛けるのは、良い事といくら分かっていても実践するのはなかなか難しいものです。
毎回設計をさせて頂く度、そんなことをアレコレ悩みはじめると、本を開いてネットをうろついて一向に仕事が進みません。

構造パネルと断熱材用の桟木
時間を遡って外壁耐力壁の様子です。
外壁の構造面はMDFと言う木質パネルです。川べりなのでシロアリを心配する工務店さんの話を受け、予め防蟻処理れているシロアリ対策タイプを全面に採用しています。また、このパネルは一般的な構造合板等に比べると透湿性能が高く、内部結露の抑制に働きます。
白いテープはパネル同士の継ぎ目を塞いで気密性を高める工法のひとつ。桟木に隠れていますが、タテ方向にも同じようにテープが貼られています。
外張り付加断熱材
タテ桟木の間にはめ込まれているのは、フェノール系の断熱ボード。
外壁の断熱方法は軸組間グラスウール充填+外張り付加断熱となっています。
断熱材の上から、透湿防水シートが貼られた様子です。
住宅寿命の長いドイツ製。ふだん見慣れたシートより厚みも感じシッカリした印象です。黒いシートが昔のアスファルト防水紙のように見えますが、全く別物。
シート上に井桁に組まれた桟木は外壁仕上材の下地になります。

廻りが緑に囲まれているので、海外で仕事をしているような錯覚がしてきます。意味もなくテンションが上がってきます。海外製品を使うのは違った意味で悪くないですね。
窓廻り。防水シートメーカーの商品を使っています。
なにかとよく考えられている気がします。テープ類もメッチャ伸びてシッカリ着いて、施工された工務店さんも安心感が髙いと話をされていました。
余談ですが、同メーカーのウレタンフォームを使っている様子です。
断熱や気密の補完、隙間埋めとして使用されます。吹き出し量の調整ができる専用ガンを使っているので、今まで現場で見ていたスプレー缶のウレタンフォームよりも無駄も少なく、使い勝手が良さそうに見えました。
アイスクリームではありません。上棟時の写真。
軸組金物の外部側露出部分に熱橋対策として施されたウレタンフォームです。固まったら真っ直ぐ切り落とします。今回は外張り断熱材が囲いますが、無い場合は特に、こうした箇所に気を使っておくのが断熱性能上に大事なところです。

高価な製品や材料を使う事が必ずしも良い訳ではありませんが、適材適所に良く考えられた製品を吟味して使うと、現場も良い仕事に繋がって行くような気がします。
意識せず何気なく使っていたものを振り返ることは、時間が掛かりますが大事です。

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