大山崎山荘美術館「睡蓮」の見方

名神高速で仕事の帰り道。大山崎付近でまだ昼過ぎだったものだから、そうだ大山崎山荘美術館に行ってみようと思い立ち、そのまま高速を降りた。ずいぶん前だが新館は安藤さんの初期の美術館。実はまだ行った事が無かった。印象派モネの「睡蓮」が飾られていることで有名です。

その以前、庄司事務所に来ていた美術好きなバイトの女史が、あれはダメですよ〜。絵の前が狭くて引いて見ようと思っても、ちゃんと見れない。光もイマイチ、私は嫌です。モネがかわいそう。とまで言っていた。その記憶だけで実際どんなだろうと思って、モネの飾られていた新館(と言っても古い訳ですが)に入った。ちなみに展示室は円筒状のコンクリート外壁に囲まれ、真ん中は白い壁で囲った空間があります。その四角い空間の上にはトップライトがあり、適度に円筒の展示室にも光が漏れるような感じになっています。それほど大きくはありません。
足を踏み入れて女史の言っていた事が分かりました。今日は関西の椅子作家の展覧会が併設されていたので、なおさら動けるスペースが少ない。たまたましばらく一人で鑑賞する事ができたので、窮屈感はないが、曲面に飾られた4枚のモネと正対して向かうと確かに近い感じがします。敢えてのモネファンでもなかったのですが、もうちょっとあればねと思いつつ、併設の椅子に目が移りはじめました。

ちょっと若めな警備員さんがコチラの鑑賞を邪魔しない様に一人で立っています。展示の椅子は触っても良さそうなコメントが付けられていたのですが、念のため聞いてみた。どうぞ座ってみて下さい。それまで黙っていた警備員さんが、あちらの椅子は座られましたか?気持ちいいですよ。と促される。面白い人だな。と思っていたら、後から入って来た学生らしき若者達に、この絵はコチラから見てみて下さい。と話しかけている。つい、耳をそばだてると的をついた意見が聞こえ興味が湧く。改めて、モネを見始めてしまった。

鑑賞者が少なくなって、絵に興味を持ち出した僕を捕まえ、今度はモネの見方について持論を語り始めてくれた。あの絵はモネが白内障になった後でのものです。絵は大きいですが、モネが見ているのは小さな世界なんですよね。此処から見ると睡蓮が浮かんできませんか?丁度、今の明かり具合が良いです。…確かに。真っ正面から見ようとしていた時よりも斜めになった今の位置の方が映り込んだ光も無くずっと奥行き感を感じるし、睡蓮が浮かんで見える。この絵は階段を2段上がったところで左の角をみるような感じです。額の奥に池が広がるように見えませんか?…うむ、確かに。

私は絵は実はよく分らないんですが、此処に来て2年間、絵を観られる方の様子を見て自分で確かめたり、考えたんです。絵が好きそうな方なら、私なりのポイントをお伝えしてみるんです。結構喜んでもらえて嬉しいんですよ。以前は測量の仕事をしていたせいかも知れませんが、観る方向がなんとなく気になるんです。やっぱり一番奇麗に見える位置が良いでしょう。なので意見はありますが、この空間がとても好きなんです。

警備員さんを前に、目からウロコ状態です。適度に美術をかじった僕は、こんな当たり前で素直な見方をした事は無かった。警備員さんは絵の見方が対峙しようとする西洋的な感じでなく、空間全体で捉えたとても日本的な見方ですよね。と感想を伝えてみると。モネは日本趣味だったからでしょうか。
しばし警備員さんと美術談義となった。学芸員さんからは絶対に聞く事が出来ない、すばらしいレクチュアにごっつ得な気がした。私も大阪ですから、ちょっとでも得したいんです。

モネの見方だけに留まらず、安藤建築の見方まで教えてもらった気がしました。次回は是非に秋頃に来て下さい。新しく出来る新々館はまだでしょうが、絵が変わってますし光がまた違いますよ。既成概念を取り払って、自由に使えば良いのですよ。なんて施主さんに言う自分がすっかり恥ずかしくなってきました。

サントリーミュージアムとペンギンパレード

大阪南港のサントリーミュージアムが今月26日で休館となります。それでもってヨメさんから終わる前に行こうよと言う事で、久しぶりに天保山まで行ってきました。
僕的には、新聞で紹介されていた「ペンギンパレード」が見れないかなと秘かな思いで向かったところ、バッチリなタイミング。ミュージアムに行く前から十分満足してしまいました。ヨタヨタ歩く不思議な物体をこんなに間近に見たのは始めてです。ウェットスーツに身を固めた小人が入ってるのかと思える不思議さ。ツヤツヤしている肌(羽根?毛並み?ナンテ言えば良いのかな。。。)は、触りたくなるほどとっても奇麗でした。

満足してしまった後、開催されているポスター展を見てまわりました。夕暮れの堤防で写真を撮ってる人たちを俯瞰で見ていると、ペンギンに見えてきました。ところで施設は大阪に寄贈されるそうですが、このご時世でどうなるのでしょう。

帰りに大阪水道局が販売している水「なにわ育ちのおいしい水 ほんまや “Honmaya!”」を見つけました。こちらはピンクのペンギンが並んだみたいです。久しぶりに歩き回りこの時すでにクタクタで、足元がヨタヨタのペンギンになってたのはまさしく自分でしたが。

織田廣喜ミュージアム


織田廣喜ミュージアムに行きました。
安藤忠雄設計の弧を描く小さな美術館。人工照明は無く日が暮れると閉館する。
外円の弧に沿った床から天井までの曇りガラスの廊下、
対称に内円に沿った曇りガラスの天窓の展示室。
一旦建物に入ると一番奥にある休憩場所まで外を見る事は無い。
曇り空であったが穏やかな光が空気の様に身体を包み、
人気の無い空間にゆったりした流れを感じさせる。
故織田廣喜氏の朝に昇れば絵を描き夕に暮れれば寝る。
その生活観に呼応した安藤さんの答え。

下調べ無しに行くと館はテーマパークの中にあり、
入園料と入館料を二重取り?されたけど、元は取れた気がした。
気を良くして、帰りに少しタカゲなそば家に入った。
元が取れた程では無かった。