「春画と日本人」という映画を観てきました。

 2015年秋に東京にある永青文庫という私立博物館で、同名の展覧会が催されました。前代未聞の動員数を打ち出したこの展覧会は、ロンドンの大英博物館で成功を収めた春画展の巡回展として日本での開催を試みるのですが、題材である春画を巡り関係者・スポンサーの理解・許可をなかなか得られず、ようやく開催にこぎ着けるまで奔走した方々の苦労や葛藤を映し出しています。

 今では美術品として認められている春画でありますが、本屋で無修正の春画本を拡げるのはなかなか勇気のいるものです。実際に見ると、滑稽とも思えるなんとも言えぬ露な姿が描き出されているのをご存知な方は多いはず。
 今やネットでは、春画どころでない露なお姿が有象無象に映し出されているに関わらず、公的に春画を美術・風俗の資料としても展示を許さない日本人・日本社会の不可思議な<忖度?>構造に疑問を投げ掛けるドキュメンタリー映画です。

 個人的には、見たことない春画の名作そのものや、まつわる変遷遍歴をかい摘みでももう少し紹介してもらいたかったのですが、どちらか言えば展覧会の奔走劇が中心でやや物足りない感じで映画は終わってしまいました。

 映画を観つつ。。。普段の生活・習慣のなかにも、目に見えない束縛や忖度が漂っているのだろうな。自分の中にもそうした何かがあり、思考や創作の邪魔になっていることもあるのでしょう。それに気付き打ち破るのはなかなか困難です。周りに影響されない感受性を身に付けるのは至難の業。と少しずれた事を考えておりました。

文化記録映画『春画と日本人』

お盆は映画「シン・ゴジラ」でしめくくり

今年のお盆は特別な行楽なしでしたが、折角なので最後にヨメさんと「シン・ゴジラ」を観に行ってきました。

トウキョウがエラい事になっとるで〜。うわうわ、コレどうすんねん。
東京の街を縦断していくゴジラは、まるで東北大震災の大津波が走るかのごとく。遠景に広がる火の海は、まるで阪神大震災の大火災かのごとく。既視感さえ感じる映像は、劇中に身を投じるリアリティでなく、テレビで大規模災害の映像を見て身震いするような茶の間で感じるリアリティでした。突如起こった大災害に目を疑い、驚愕ととも恐怖感がじわじわとにじり寄ってくる。さらには翻弄される日本の将来を案じる始末。そんな印象さえ受ける映画のラストは。。。

ツッコミどころはあれど、これぞ日本の怪獣映画かな。どこまでCGなのか実写なのか?冷静にならないと見極められない精巧さに脱帽し、小さい時分に見た怪獣映画がそのまま一緒に大きくなった演出に拍手です。昔のゴジラと見比べてみたくなりました。

もう一度観て見たいけど、もうエエわ。ヨメさんの感想。

映画「天のしずく」

一週間ほど前になりますが、「天のしずく」という映画を観ました。ご存知の方も多いと思いますが、NHKの料理番組でお見かけする料理家・辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画です。と書きましたが、僕は正直どこかで見たことあるような。。。ぐらい。スミマセン。

しかし映画を観てなんと言うか、いろいろ考えさせられました。自然農法などの手を掛けられた食材で、ごく普通の料理をどこまでも丁寧に作る。農と食を通して思想を語る姿は、伝統を守る建築家や大工さんの様でもあります。
映画は、辰巳さんの主な料理と調理の様子を、食材にまつわるエピソードを含めつつ順に紹介して進みます。中でも「いのちのスープ」と呼ばれる辰巳さんの亡きご主人のために作られたスープは、その作法を習いに料理人、医療機関の方など全国から人が集まるのです。そして、そのスープに救われた方の物語が続きます。

そりゃその方がイイのは分かってるよ!と言ってしまいそうなひとつひとつの積み重ねに、ともかく安易さがなく、いい加減な簡単レシピ?で済ませようとする真逆な日々の食生活に釘を刺された。そんな感じです。(決してヨメさんの事を例えた訳ではありません!!!)いろんな意味で余裕がないと出来ないと思ってしまう。。。
自然素材〜伝統工法〜などなど。それらと程遠く、簡単レシピに流されている我が生業と重ねて観てしまうところが多数。チクチクした後味がします。ただそれも数ある味のひとつと言ってしまうとそれまでですが、決して忘れてもいけない味だとも思いました。
機会あれば是非、ご賞味ください。