お盆は映画「シン・ゴジラ」でしめくくり

今年のお盆は特別な行楽なしでしたが、折角なので最後にヨメさんと「シン・ゴジラ」を観に行ってきました。

トウキョウがエラい事になっとるで〜。うわうわ、コレどうすんねん。
東京の街を縦断していくゴジラは、まるで東北大震災の大津波が走るかのごとく。遠景に広がる火の海は、まるで阪神大震災の大火災かのごとく。既視感さえ感じる映像は、劇中に身を投じるリアリティでなく、テレビで大規模災害の映像を見て身震いするような茶の間で感じるリアリティでした。突如起こった大災害に目を疑い、驚愕ととも恐怖感がじわじわとにじり寄ってくる。さらには翻弄される日本の将来を案じる始末。そんな印象さえ受ける映画のラストは。。。

ツッコミどころはあれど、これぞ日本の怪獣映画かな。どこまでCGなのか実写なのか?冷静にならないと見極められない精巧さに脱帽し、小さい時分に見た怪獣映画がそのまま一緒に大きくなった演出に拍手です。昔のゴジラと見比べてみたくなりました。

もう一度観て見たいけど、もうエエわ。ヨメさんの感想。

映画「天のしずく」

一週間ほど前になりますが、「天のしずく」という映画を観ました。ご存知の方も多いと思いますが、NHKの料理番組でお見かけする料理家・辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画です。と書きましたが、僕は正直どこかで見たことあるような。。。ぐらい。スミマセン。

しかし映画を観てなんと言うか、いろいろ考えさせられました。自然農法などの手を掛けられた食材で、ごく普通の料理をどこまでも丁寧に作る。農と食を通して思想を語る姿は、伝統を守る建築家や大工さんの様でもあります。
映画は、辰巳さんの主な料理と調理の様子を、食材にまつわるエピソードを含めつつ順に紹介して進みます。中でも「いのちのスープ」と呼ばれる辰巳さんの亡きご主人のために作られたスープは、その作法を習いに料理人、医療機関の方など全国から人が集まるのです。そして、そのスープに救われた方の物語が続きます。

そりゃその方がイイのは分かってるよ!と言ってしまいそうなひとつひとつの積み重ねに、ともかく安易さがなく、いい加減な簡単レシピ?で済ませようとする真逆な日々の食生活に釘を刺された。そんな感じです。(決してヨメさんの事を例えた訳ではありません!!!)いろんな意味で余裕がないと出来ないと思ってしまう。。。
自然素材〜伝統工法〜などなど。それらと程遠く、簡単レシピに流されている我が生業と重ねて観てしまうところが多数。チクチクした後味がします。ただそれも数ある味のひとつと言ってしまうとそれまでですが、決して忘れてもいけない味だとも思いました。
機会あれば是非、ご賞味ください。

 

鬼に訊け -宮大工 西岡常一の遺言- とダークシャドウ

立て続けに魔物映画2本。1本はジョニーディップ扮するドラキュラ映画。1本は実在の人物、宮大工・故西岡常一氏のドキュメンタリー映画。これを並べて書くのもどうかと思いつつもですが、お許しのほど。

観た順序とは逆に、鬼と呼ばれた西岡棟梁の映画から。
このドキュメントは平成2年から3年半にわたって撮影されたインタビューを中心に、西岡棟梁の人間像に迫ったものです。
建築に携わっていながら、知った大工さんの名を挙げろと急に言われれば、この西岡棟梁とお弟子さんの小川三夫さんのお名前ぐらいしか、恥ずかしくも思い出せないかもしれません。大学時代に少しばかり興味を持って著書を読ませていただいているが、それもほとんど頭に残っていません。たまたまネットでこの映画の上映を知り、思い立つものを感じ観に行った訳です。
仕事の多くで木造住宅をやらせて頂き、やればやるほどに面白く思える反面、奥の深さや難しさを感じるようになってきました。しかしこの映画を観、宮大工の仕事とは次元の違うまるで机上の空論で建物を造っているのだと、分かってはいてもがっくり肩を落としそうな気分です。その次元を差し引いて想像しても、経験を積み重ねて時分の仕事に確信を得るのは、遥か彼方な行程に感じざるを得ません。
もっと仕事に悩み「訊ける」方との関わりを持つ事が大事な気がしています。

西岡棟梁が健在な時分、僕は小学生時代に斑鳩に少し住んでいました。法隆寺のスケッチもしたし、遊びに行っています。もしかしたら棟梁とすれ違っていたかもしれない。いま考えるとア〜もったいない。(ドウシヨウもありませんが)

西岡棟梁が鬼なら、ジョニーディップはドラキュラで。ティムバートン監督のダークシャドウはとても楽しめました。よくは知りませんでしたが、最後のエンドロールでテレビドラマのオマージュ版と分かり、映画の作りにいろいろ納得。この映画は自分と同じ40代以上の方の方が楽しめるのではないだろうか。
ところで物語の中で、主人公のバーナバス・コリンズ(ジョニデ)がまだ幼いころから、築造を始めたお屋敷は完成までに15年の歳月を要したと話していた。装飾の多いああした洋館は一体どのくらいの工程で建つものかと、どことなく思っていたので、15年という数字は物語の本筋とは全く関係なくひとり納得していた。まあしかし15年もやっていたら設計変更なんてきりが無いのかもしれない。計り知れなく続く工事に、きっと耐えられなくなりそうです。隠し部屋や秘密の通路の設計者はきっと、数奇な運命に終わるのでしょうね。ア〜怖い。