野口哲哉展〜いちにち高松市めぐり

野口哲哉展(高松市美術館 )
野口哲哉展(高松市美術館 )

 しばらく前、日曜の美術番組で紹介された彫刻作品の展覧会が目に留まり、こりゃオモロいな〜と思ったら、すぐ横にいたヨメさんが、コレイキタイ!と叫んだ。
 え!?どこでやってんの?と探したら、香川県の高松市美術館。巡回でコッチに来ないの?調べてみると、残念ながら関西を飛び越えて愛知県。。。どっちもどっち。とうとう、勢いで香川県まで行ってしまった。

 車で休憩はさみ約3時間と少し、高松市に来たのはずいぶん昔に一度きり。大した下調べもしないまま昼前に着いて、まず向かったのは香川県立ミュージアム。「うどん県」に行くのだからとグルメサイトで見つけておいた近くのうどん屋に行く時間つぶしのつもりが、このミュージアムの企画の展示も、常設の展示もイチイチ面白いから困った。

 カガワケン面白いかも。。。なにも分かってない二人が同じことを呟きはじめだす。

 時間も無いのでミュージアムの観賞は小走りに、うどん屋に向かいました。
 うどん屋に着いてみると暖簾が掛かっていない。やってるのかな〜?と戸を開けてみると、お客さんはそこそこいらっしゃる。早速肉うどんを注文して食してみれば、うどんもお肉も満足感大。

 タカマツシ楽しいかも。。。満腹になって、いざ目的の高松市美術館「野口哲哉展」へ。

 番組で観ていたので作品がどんなだか分かっていましたが、実際に観ても期待を裏切らず面白い。展示室に足を踏み入れて直ぐ、自分の顔が緩みはじめてきました。
 甲冑姿の人形?は、写真の通り一人一人なんとも言えない表情。どこか冴えない様でいて、どこか夢心地な不思議な眼差し。表情も立ち振る舞いもどこまでもリアルで、どこにでもいそう。なのに、どこにもいないだろうと思えるギャップが心地よい感じです。
 作品はなかなか凄い数がありましたが、最後まで飽きずに観れるというのにも驚きです。補助車を押しながら、ひとつひとつ丁寧に観ているお婆さんの姿がありました。どうされました?なにやら話し掛けていそうで、聞き耳を立ててしまいそうになります。きっといろんな想像をされているのでしょう。

 作者の野口哲哉さんは、1980年香川県高松市生まれ。作品に掲げられたキャプションには、どこかしらユーモアありつつ鋭い視点。作品にも感じられる聡明な不思議感。

 美術館を退散した後は、すぐ側にある喫茶店「城の眼」へ。
 開業50年のレトロなお店です。設計・山本忠司。インテリアは石彫作家・空充秋。これまた趣のあるお店でした。今は人も少なめ、お客さんも入れ替わり2組ぐらいで、ゆっくりさせて頂きました。
 その後、海辺沿いの倉庫を改装したおしゃれな本屋さんやらカフェに立寄り、美味しいピザを頂いて、満足感満杯で帰路に着きました。

 カガワケンタカマツシのファンになりそう。懲りずにまた来そうです。

チームラボと姫路城

チームラボ
チームラボ

 以前から気になっていたデジタルアーチスト集団チームラボが、姫路市立美術館で展覧会を開催しています。6月はじめの日曜日、ヨメさんと観に行きました。

 もうじき会期終了、絶対ヒト一杯やでェ〜、と朝10時半頃に到着すれば、およそ30分待ちのプラカード。並び始めれば、瞬く間に行列が続いて行きます。ふわ〜〜〜っ!
 去年の丁度今ごろ、東京お台場に開館した「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」がテレビで紹介されるたび、ふわ〜〜〜っと見入っていいた。なんとも気持ちよさそう〜〜〜である。
 年代ものと笑われそうだが映画「トロン」のような、デジタル世界に自分の身がスッポリ転がり込むような錯覚を味わえそう、自然現象をモチーフにした作品が多いが、単なる疑似体験とは違う夢空間に身を置きたいと思わせる。そんなイメージで期待を膨らませ、いざ!。

 ア〜違う。きっとコレはゼンゼン違う。と言うのが、今回の感想。
 残念ながら展示室のスケール不足なのか、期待が肥大過ぎたのか。もちろんソレなりに楽しめたが、身を委ねたような気持ちよさは味わえなかった。出張展示は難しかったのか、インスタレーション的な体感空間ではなく、壁面の投射映像だけで終わってしまったので、ココロで感じるにはボクは歳を取りすぎた。かもしれない。
 動作に反応する文字や図形、散らばる花、揺らめく波に、子供らと一緒になって駆けまわるってことも出来ず、テレビで観たそれであっても幽体離脱するには圧倒感が足らず、ただただ自撮りを楽しむ中年カップルであった。
 こりゃ〜お台場に行ってみんと分からん、と思わせられて、終わってしまった。美術館を出れば、行列だけはさらに延びていたのだけど。

 折角姫路まで足を伸ばしたのだから、姫路城。単純な理由でいざ出陣。
 言わずもがな、圧倒感は明らかにこちらの方が上手でした!。どうやって積上げたのやらの石垣の足元を抜け、6階建て登城のはじまり。実質もっと高いだろうお城の急な階段をエッチラコッチラ登って、どでかい柱や梁を見上げ、いかにも厚そうな床板の足裏の触感を堪能し、姫路の街を一望し、饒舌なボランティアガイドのおじさんに耳を傾かせ、ヨロヨロ降りて。最後は、はしゃぐ外国人観光客を横目に、城をふわ〜〜〜っと見上げて終わり。
 うん、ヨカッタ。

 元号変わりの長かった今年のゴールデンウィークの間には、たいした行楽も出来ずにいたので、ようやく羽を伸ばせた感じがしました。やはりリアルな体験に勝るものは無しでしょうか。それとも、ただそんな歳になってしまっただけか。
 その答えを出すには、まだまだ若造のつもり。のはず。そんな幻覚を味わうのが目的の一日となりました。

ushio 工房 と tamaki 工房 のスケール感がとても気持ち良い。

2月の日曜のことですが、加西市と西脇市にあるふたつのアトリエをヨメさんと尋ねました。

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まず以前より親交いただいている石の彫刻家 牛尾啓三 先生の加西市にあるアトリエ。


随分昔に一度訪ねたきり。今回、そのアトリエで3彫刻家の制作風景公開イベントなる案内が届いたので、良い機会と思って訪ねました。
到着すると、石切場跡のアトリエ風景はそれだけで迫力満点、来る甲斐があります。
この場所で大きな塊の石?岩?から、なんとも不思議な知恵の輪のような数学的作品を数多く生み出し、世界中を渡りあるく芸術家のアトリエと聞くだけでなんだかスケール感に圧倒されるのです。この場にいるだけで、ワクワクします。
切り出しの様子を、おかきとお茶をいただきながら拝見して来ました。

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帰り、西脇にある播州織研究家 玉木新雌 さんの工房兼ショップに立ち寄りました。

偶然に知り合いの工務店さんがこのショップの移転改装に関わられていて、連れて行ってもらいそのスケールに驚いたのが少し前。ヨメさん連れて行けばコレは間違いなく喜ぶと思っていたのです。
今では世界的なブランドからも注目をされているそうですが、こんな規模になる以前から少し知ってはいたので、広い駐車場まで備えた新しい工房にずら〜りと並んだ織機が並ぶ様には正直驚きます。そして織機の間を縫って工房見学もできるようにされているのがまた新鮮です。
ここを束ねる玉木新雌さんは、まだまだ若い方。やや廃れつつな地場産業に新風を吹かせています。

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コトを成し遂げるスケール感に、ふたつの工房はどこか共通するものがあるように思えました。いろいろな意味で刺激を受けます。