



神戸市に建つSOHOオフィスを兼ね備えた、事務所兼用住宅です。
このプロジェクトの進行は、CGデザイナーである施主との対話によってその多くがなされています。残された無数のメールの中に両者の葛藤を読み返すことが可能でしょう。お互いの意見がぶつかりあい融和され、ようやく一つの形が生まれました。
都市に典型的な2メートル巾の通路の奥に拡がる袋小路の旗状敷地は、 偶然にも条件に恵まれたことでいろいろなことをより可能にしてくれました。時期的なタイミングが外れてしまえば、このプロジェクトは非常に難航するものとなったでしょう。いずれは周囲に建物が立ち並び、この小さな住居は街に埋もれてしまうことになるかも知れません。
その見えない未来を予測することで一つの方向性が定まり、より明確なものへ構築されました。気持ちの中では避けたい我々のその予測が当たってしまったとき、この建物は地下から地上へ向かうか のような疑似体験を生み出すことになるかもしれません。



















Photo:絹巻豊
建築概要 【 敷地概要 】 ・場所 :兵庫県神戸市 ・敷地面積 :68.43 ㎡ ・用途地域 :市街化区域 第1種中高層住居専用地域 建蔽率60%・容積率200% 第3種高度地域 準防火地区 ・前面道路幅員:(北東)5.97m 【 工事概要 】 ・工事種別 :新築(スタジオ併用住宅) ・建築面積 38.42(建蔽率56.14%・許容60%) ・延床面積 102.39(容積率149.62%・許容200%) ・主体構造・構法 鉄骨造一部RC造 ・規模 地上3階 【 主な仕上 】 ・屋根 シート防水 ・外装 フレキシブルボード化粧ビス止 ・開口部 アルミサッシュ (1階) 床 /モルタル金ゴテ押え 壁 /木毛セメント板貼り 天井 /デッキ現し (2階) 床 /フローリング 壁 /シナベニヤEP 天井 /デッキ現しOP (3階) 床 /フローリング 壁 /シナベニヤEP 天井 /石膏ボードEP 【 設計/施工 】 ・設計 :庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋) ・施工 :越智工務店()
掲載等
「project HOUSE 99.99 」施主さんHP
「新建築住宅特集」No.182・2001年6月号
「カーサウェスト」No.12・2001年夏号
「LiVES」 vol.06・2002年秋号
HOUSE99.99 の施主から一年後の「すまいの感想」を頂きました。
HOUSE99.99にすみついてから、はや1年以上が過ぎようとしています。
正直、なじむには数年かかりそうかなと思っていましたが,意外とはやくこの生 活になじんでしまったようです。
たしかに、超快適というかんじではないですが、暑さ寒さを感じたり,接道面 の 窓を開け放したときの風を感じたり、この外観から想像しないような自然を感じ ることもできるようです。
CAFEテーブルも、それほど使用頻度はないですが,その分スペシャルなエリアと いう感じで新鮮さがまだ感じられます。
窓がないのに意外に明るいのも、来客者の共通の感想です。
この一年の間に、隣にはとうとうハイツが立ちはだかり、そろそろ埋もれかかっ てきていますが、それでも、たまにびっくりした様子でこちらをみながら前の道 路を歩いている人を見かけると、”ニヤリ”としてしまうのは、存在感の証では ないでしょうか?
今後は,ちょっと接道をうまく演出して、ちょっとした隠れ家的な雰囲気にでき たらなあと画策しています。
(2002/03/27/施主様より)