アニメ映画「トゥルーノース」

 この映画を「アニメえいがのひとつ」と思って通りすぎてしまうのは、なんとも惜しい気がします。1週間前に観てきましたが、未だ衝撃的な印象が残っています。北朝鮮の収容所で生き抜く家族の物語。そうひと言で片づけるのは心許ないですが、実情をさして知らない自分がツラツラと語ることは憚られる。そんな映画でした。

 清水ハン栄治監督は、在日コリアン4世。現地取材をはじめ脱北者や元看守の方々へのインタビューを重ね、10年を費やして完成させたそうです。人々の心に留めてもらう為にもエンターテイメントとして観られるものに仕上げた、と言う監督自身の言葉ですが、正直とてもそんな気分だけで観終えることはできません。
 ストーリーそのものもありますが、ひとつひとつのシーンが非常に洗練されていることが分かり、表現として慎重にバランスの取れた抽象化がされています。それでもなお、重層な現実をオブラートに包んでいることがつぶさに感じられるのです。
 アニメーションとしてもとても素晴らしい作品だと思いましたが、この映画はドキュメンタリーなのか?しかも現在進行形なのか? そう思いにかられながらエンドロールを眺めていました。

 近くて遠い国。そこには同じ時間を生きているとは思えない衝撃とともに、自分となんら変わらない人々が生きている事を確信することも出来た気がします。

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