映画「紙兎ロペ」

なんツーか。この二つになんの因果関係もありません。あえて言えば、どちらも脳みそが白くなります。ヤベー。

ご存知の方も多いと思うのですが、東宝系の映画館に行くと開演前の頭がユルくなるショートアニメーション が「紙兎ロペ」です。やけに緻密な下町風景の背景画と究極に単純化された紙人形風2次元キャラの絶妙なコントラストに、どうでもいい様な会話がだらだらと流れるだけの、何も残らなさすぎが心地良いム〜ビ〜です。そのロペが映画になった?という事で、週末の晩に観に行ってしまいました。ケタケタと笑うべしか、クククっと息を押し殺すべしか、微妙な人の入りにどちらも出来ず、見応えがあるかどうかは賛否両論な事でしょう。もちろん個人的には楽しみました。
でもしかし、アニメならではの楽しさのあるアニメでは無いかと思います。「続く」とあったので、続編がもし製作されれば間違いなく行くかも。あればですが。

2次元と3次元を行き交うこの感覚は、ちょっとやみつきになりそうですね。

セミナー「規矩術入門」

昨日、竹中大工道具館のセミナーで「基礎から学ぶ規矩術 入門編」となる講座を聴きに行きました。規矩術、広義では建築全体に及んだ設計術のような話ですが、狭義で行けば曲尺(サシガネ)を使った墨付け(加工上の線引き)の技術を言います。立体では3次元に捻った形状も、材料(主に木材)を切ったり削ったり加工する時には2次元にしないとどうすれば良いかが分かりません。ただ単純に上から見たとこ、横から見たとこと言う訳にもいかず、斜め向こうに上がって行くラインを再現するにはその材木上ではどう切り込めば良いのか?になります。分かりやすく?言えば幾何学の世界。数学の授業が眠たくなる人はつらいかも。
ところで、曲尺とは90度に曲がりのある定規です。大工さんがいつも片手に持っているイメージが出来るあの定規です。ウラオモテに寸法が刻まれていますが、ウラの一面には、ルート寸法が刻まれているのだそう。も、逃げたくなる人いませんか。
講義後半は、 曲尺の使い方と幾何学上の関連を解きながら話が進むのですが、ココがこうなるからこうなって、ソレがそうなる訳です。分かりますか?と先生の問いに、会場にいる皆さん(僕も含めて)、ビミュうなニガ笑いに包まれます。久しぶりに落ちこぼれ学生の気分を味わった感じです。放課後の補習が無いので助かりました。
まずは入門編と題されたこの講義、次回応用編があれば間違いなく行くでしょう。ただし、さらにチンプンカンプンなことになりそうです。

規矩術 – Wikipedia

間取り図もこうすると面白い。Fantasy Floorplans

建築に興味を持つか持たない頃に、地図をモチーフにイラストを描いていた事があります。白い画面に道路やら鉄道やらどこにもない空想地図です。そこに繰り広げられるストーリーを想像するのがどことなく楽しかった記憶があります。ですが、それまで建築や住いに特別興味があった憶えがありません。小学生の頃は仮面ライダーやウルトラマンの怪人怪獣図鑑の解剖図を必死で眺め模写したり、中学生になれば宇宙戦艦ヤマトやらガンダムやらにもろ影響され、友達と空想の宇宙戦艦やらモビルスーツを考えてはその解剖図を、授業も聴かずに描いていた記憶は鮮明です。
住宅や建築に興味を持ち出した頃でも、間取りと言うものに興味があったかと問われるとかなり怪しい。いつになって人の住いに興味を持ち、毎日間取りを考え始めることになってしまったのか。そんな事を考えると、設計事務所をやっている事さえも不思議になってきます。

上の写真は僕が描いたものではありません。ブランディさんというアメリカの女性アーチストの作品です。彼女は小さなころからテレビに映るドラマセットの住いの間取り図を想像して描くのが、どうやら趣味だったようです。その甲斐あって、今は空想の間取り図をプリントしてネット販売しています。しかも青焼き。マニアな感じです。例えば、セックス・アンド・ザ・シティのミランダやキャリーのアパートとか。。。
建築を介してそんな生業があったのかと感心。彼女が日本に生まれていたら、サザエさんの家やムーミンの家や、寺内貫太郎一家の家の間取りを描いて売っていたとしたら僕は買ってしまうかもしれません。

http://www.fantasyfloorplans.com/

シャーペンを買うのは何年ぶりだろうか。

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点5のシャーペンの先が少し曲がって、芯送りが悪くなり始めたのはいつだったろうか。そのまま気にもせずにずっと使っていた。というのも、シャーペンを使う機会がすっかりなくなったからだ。独立した時からほとんどマックで仕事。現場で使うことはもちろんあるが、どちらか言うとボールペン使い。プリントした図面に赤や青で訂正事項は書き込んで行くし、その場で図を描くような時もボールペンを使う事が多かった。スケッチもボールペンの方が多い。もちろんシャーペンが嫌いな訳でもなんでもない。
現場で使うシャーペンは点9。芯が太いので、木やベニア板やコンクリートにも直接印をするにも、現場で荒く使っていても折れずに便利だから。現場の監督さんが使っていたのを真似はじめたのがきっかけだが、事務所でファックスやらのときにも使うようになっていき、点5の影はすっかり薄くなっていった。

で最近、さすがにコンピュータばかりでやっていると目も疲れるし、飽きて来た?つまらない?気もしてきて手描きの図面を現場に持ち込むようにし始めた。大枠は相変わらずマックで進めるが、部分などの詳細図は敢えて手描きの絵を描くようにする。現場の大工さんは、手描きの方が分かりやすくて良いと言う。ただ手描きにすると訂正に手間取る。図面としてはCADの方が間違いは無いのだが、、、手描きの方が伝えたいところに力が入るのかどことなく伝わりやすいし、なににせよ印象が良い。不思議なものです。ただ、さすがにトレーシングペーパー相手でなく、A4コピー紙相手。15センチの三角スケール1本で描けるところまでのチョイ手描き製図。T定規使っての本格製図までは、さすがにまだまだ躊躇します。

それで昨日、別な用で入ったはずの文房具屋で製図用シャーペンについ目が行き、十何年振りにシャーペンを買ってしまった。〜長年使い慣れた感触を実現〜って書いてあるパッケージのフレコミについ負けてしまったのもある。よくよく考えると、設計屋なくせに。。。と思えなくもないわけです。

映画「ももへの手紙」

久しぶりの更新がアニメネタであったりして至極恐縮なのだが、先日久しぶりに映画館で観たアニメ「ももへの手紙」はとても良かった。瀬戸内の島を舞台に母娘と物の怪が出会い、亡くなった父親への想いから立ち直るまでのしばしの物語。細やかで丁寧な表現が嫌みなく、人物描写が島の風景や日常に溶け込みリアリティ溢れた豊かなものになっています。観賞後がとても爽やか。

映画を観た後、パンフレットを購入し一読。その中で、制作過程が紹介されている文面にアニメの中のリアリティについて書かれた一文が気になった。実写であると映像の中のものは衣服でさえ常に動きがあるが、アニメでそこまで表現してしまうと意識が散らかること。全速力で路地を走る少女が、通りに出る角で出会い頭にぶつかりそうになった老人を間一髪で避けるが、現実には到底無理な動きなのに観る人がさも実際に避けきったイメージを抱かせる動きなど。
アニメの中では日常的なことでも実際にはあり得ないことを、観客にごく自然な現実として受け止めさせる技術は、単に絵が動くだけで出来ることではなく、監督をはじめとしたアニメーターの方々の非常にきめ細かな観察力があってはじめて成立するものだろう。

これまで観たアニメに感じることの出来たリアリティとまた少し違った感触があり、観ながらもどことなく気になっていた。パンフに書かれた文面から、そこを気に掛けて制作したスタッフの思いなのだろうと推察してみたい。建築(特に住宅)を考え創るときも、そうした観察力があるなしではまるで違うものになるだろう。それをどう表現できるかが、きっと力量や個性に繋がるのだと思う。