セミナー「阿保昭則 – 大工が教える本当の家づくり」

今日午前中は竹中大工道具館「技と心のセミナー」に行き、 日本一のカンナ削り名人の大工・阿保昭則さんのお話を聞きにいきました。表題の通り、「大工が教える本当の家づくり」。千葉で耕木杜という工務店をされている人気の大工さんと言って良いでしょうか。と書きながらも、実はあまり知らずにいたので昨晩にネットで予習し、初めて知ったところです。

一時間半の講演でいろいろと考えさせられました。
と言え、特別な話が聞けた訳ではありません。内容だけを羅列してしまえば、ごくごく普通に当たり前な話だと思います。物件への取り組みの方法や姿勢、施主さんとの付き合い、健康に気遣う建物を目指し、喜びを分かち合う。普通(と言ってはいけないかも知れませんが)の大工さんと一線を画すのは、単に職人の域を超え、建築家や設計士以上に現在あるべき住い・建物のあり方を探求する心と思います。

伝承や決まり事、現場で疑いもなくそういうものだと言ってしまう事ひとつひとつに疑問を投げかけ、自分のものになるまで諦めない。それを淡々とやってきたことで自信に溢れたひと言ひと言であったように思えます。その自信ある言葉に、実は打ちのめされた感じです。

自分が仕事をしていく中で大切に考えようとする日々思っている内容と、阿保さんの話に大きな差異はありません。しかしあきらかに違うのは、それをやり遂げているか否かです。

古くて新しいものを見学:60坪と9坪の住まい

 

この間の日曜、そして今日土曜と、それぞれ別の見学会に行きました。どちらも古くて新しいものです。

日曜日に見学した物件は滋賀・宮内建築の手による伝統工法による60坪にもなる平屋。その構造見学会。ガツンとした構造材が縦横無尽のド迫力で迫ってきます。元にあった民家のイメージを壊さず、土壁も再生させてムクムクと甦るようなイメージです。

今日伺った住まいは、ある意味正反対に現代的な小さな家。ただベースにあるのは増沢洵という50年代建築家のモダニズム狭小住宅「最小限住居」というもの。それをリメイクし、9坪ハウスと名付けられた企画住宅です。大阪では第1号ですが、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

同じ木造と言え、偶然続けて拝見した2つの住宅は大きさも作り方も、そして住まい方も対極にも思えそうな違いがあります。設計者も施工者もきっと相容れないぐらいの違いがありそうに思えるその一方で、不思議に共通するものも感じ無くありません。面白いものです。

さて、自分ならどちらに住みたいと思うか? ・・・正直、どちらも極端で難し過ぎです。