映画「ちいさな哲学者たち」を観ました。

ヨメさんからの誘いで、映画『ちいさな哲学者たち』を観に行きました。フランスの公立幼稚園で行われた、先生が園児達と哲学のディスカッションを2年間に渡って行う革新的な教育プログラムを追ったドキュメンタリー映画です。とても面白かったです。

子供は時として大人を驚かす様な発言をします。とお決まりな文言がありますが、これは大人の屁理屈からの視点でしかないのでしょう。映画のスタートは素朴な質問に子供達も言葉が出てきませんが、後半になると大人顔負けの思考を展開しています。賛否もはっきりとした議論ができるようになっていきます。最後には、小学校にあがったら哲学の授業が無くなるから面白く無い。考えなくなってしまうかも。と子供達は嘆く程に成長を見せてくれます。

仕事に没頭し、いや、仕事を言い訳に考える事を失いかけている自分には、頭の下がる思いがします。この間友人と飲みに行った時も、デザインは何故そうなのか?理由をきっちり考えないといけないよね〜。なんて言っておりましたが、果たしてどこまで出来ているやら。

映画の中の子供の一人が、なんとなく爆笑問題の二人の掛け合わせにも見えて来たり。可愛いだけでなく、コイツはなんかオレに近い気がする。とファンになった子供の発言が気になったり。苦笑まじりの笑いが映画館で絶えませんでした。
文化も環境も違う日本の子供達に同じプログラムをするとどんな風になるのだろう? 自分を含め、ものを考えない大学生が増殖される前に、幼稚園からと言わずとも小中高でこうした試みは少し早くから始める方が、日本国力に厚みを持たせるためにもいい様に思えますし、自然と文化を愛する心も育つような気がしました。

 

藤井厚二「聴竹居」を訪問しました。

「住まうの座」でお世話になった紡ぎ家さんの計らいで、藤井厚二「聴竹居」を訪問しました。建築関連では人気の見学スポットの一つで、今まで二度ほど見学会に申込しながら抽選モレで行けずまま、ようやく機会を頂いた感じです。先日の大山崎山荘美術館とは程近く。樹木に囲われ暑い夏の最中にも涼を感じる自然豊かな環境の地にあります。

「聴竹居」は環境共生住宅の原点と言われ、環境工学を専門とした藤井厚二の自邸の「ひとつ」になるそうです。実家は造り酒屋のお金持ちで自邸を繰り返し作っていると聞き、なんとま羨ましいばかりですが、光や風を存分に取り入れ「夏が過ごしやすい」住まいを目指し、当時のモダンな住宅の実践を試みた建築家の実験住宅だったと言っても良さそうです。

だからでしょうか、勉強不足で詳細について下調べ無くこれまで感覚的な造形を勝手に期待していたのですが、実際に観た「聴竹居」は、むしろ理論的な住宅のひな形を観るような空気が漂い、そうした期待に対する感動はむしろ少なかったのが正直なところです。逆に積極的に電化も行いながら環境工学と時代の先端を進む意欲こそが造形にも現れ、その想いが漂う空気を読み取る事こそが「聴竹居」の見所であった気がします。その面からの覆されたイメージの部分は十分に楽しく拝見し、設計者としての立ち位置を学ぶべき印象を受け、また考えさせられもしました。

大山崎山荘美術館「睡蓮」の見方

名神高速で仕事の帰り道。大山崎付近でまだ昼過ぎだったものだから、そうだ大山崎山荘美術館に行ってみようと思い立ち、そのまま高速を降りた。ずいぶん前だが新館は安藤さんの初期の美術館。実はまだ行った事が無かった。印象派モネの「睡蓮」が飾られていることで有名です。

その以前、庄司事務所に来ていた美術好きなバイトの女史が、あれはダメですよ〜。絵の前が狭くて引いて見ようと思っても、ちゃんと見れない。光もイマイチ、私は嫌です。モネがかわいそう。とまで言っていた。その記憶だけで実際どんなだろうと思って、モネの飾られていた新館(と言っても古い訳ですが)に入った。ちなみに展示室は円筒状のコンクリート外壁に囲まれ、真ん中は白い壁で囲った空間があります。その四角い空間の上にはトップライトがあり、適度に円筒の展示室にも光が漏れるような感じになっています。それほど大きくはありません。
足を踏み入れて女史の言っていた事が分かりました。今日は関西の椅子作家の展覧会が併設されていたので、なおさら動けるスペースが少ない。たまたましばらく一人で鑑賞する事ができたので、窮屈感はないが、曲面に飾られた4枚のモネと正対して向かうと確かに近い感じがします。敢えてのモネファンでもなかったのですが、もうちょっとあればねと思いつつ、併設の椅子に目が移りはじめました。

ちょっと若めな警備員さんがコチラの鑑賞を邪魔しない様に一人で立っています。展示の椅子は触っても良さそうなコメントが付けられていたのですが、念のため聞いてみた。どうぞ座ってみて下さい。それまで黙っていた警備員さんが、あちらの椅子は座られましたか?気持ちいいですよ。と促される。面白い人だな。と思っていたら、後から入って来た学生らしき若者達に、この絵はコチラから見てみて下さい。と話しかけている。つい、耳をそばだてると的をついた意見が聞こえ興味が湧く。改めて、モネを見始めてしまった。

鑑賞者が少なくなって、絵に興味を持ち出した僕を捕まえ、今度はモネの見方について持論を語り始めてくれた。あの絵はモネが白内障になった後でのものです。絵は大きいですが、モネが見ているのは小さな世界なんですよね。此処から見ると睡蓮が浮かんできませんか?丁度、今の明かり具合が良いです。…確かに。真っ正面から見ようとしていた時よりも斜めになった今の位置の方が映り込んだ光も無くずっと奥行き感を感じるし、睡蓮が浮かんで見える。この絵は階段を2段上がったところで左の角をみるような感じです。額の奥に池が広がるように見えませんか?…うむ、確かに。

私は絵は実はよく分らないんですが、此処に来て2年間、絵を観られる方の様子を見て自分で確かめたり、考えたんです。絵が好きそうな方なら、私なりのポイントをお伝えしてみるんです。結構喜んでもらえて嬉しいんですよ。以前は測量の仕事をしていたせいかも知れませんが、観る方向がなんとなく気になるんです。やっぱり一番奇麗に見える位置が良いでしょう。なので意見はありますが、この空間がとても好きなんです。

警備員さんを前に、目からウロコ状態です。適度に美術をかじった僕は、こんな当たり前で素直な見方をした事は無かった。警備員さんは絵の見方が対峙しようとする西洋的な感じでなく、空間全体で捉えたとても日本的な見方ですよね。と感想を伝えてみると。モネは日本趣味だったからでしょうか。
しばし警備員さんと美術談義となった。学芸員さんからは絶対に聞く事が出来ない、すばらしいレクチュアにごっつ得な気がした。私も大阪ですから、ちょっとでも得したいんです。

モネの見方だけに留まらず、安藤建築の見方まで教えてもらった気がしました。次回は是非に秋頃に来て下さい。新しく出来る新々館はまだでしょうが、絵が変わってますし光がまた違いますよ。既成概念を取り払って、自由に使えば良いのですよ。なんて施主さんに言う自分がすっかり恥ずかしくなってきました。

なでしこJAPAN

女子サッカーワールドカップで日本が宿敵アメリカを破り初優勝しました。夜中に放送された中継をご覧になられた方も多いのでは。コレまでは結果だけをニュースで観て、へ〜っスゴイスゴイと歓声を上げておりましたが、さすが今回は生で観てみたくなり、ピッチで死ぬまで走ると語る選手には申し訳ないですが、ゴロ寝のまま、たまに響く実況の声に揺り起こされ、(ほぼ)すべて見終え少々感激モードです。窓の明るくなった頃、PK戦の頃にはすでに起き上がっていました、でも今眠たい(笑)。

最後の最後まで諦めず前向きな戦いを挑んでいたなでしこの姿は、ホント良かったですね。今回の試合を通し観て、結果が全てなスポーツの世界でありながら、その経過の全てが彼女達の全てであったような気がします。もし優勝を逃していても、この感激感はほとんど変わらないでしょう。もちろん優勝に越した事ありません。

でなぜか、試合は施行中の現場で、アメリカチームが施工者、なでしこチームが設計者の姿に、どことなく重なる様に後から思えてきました。まったく例えが可笑しいのですが、様子を伺い仕掛けずにいると、先制し隙をついてどんどん攻めて来る大きな身体のアメリカ選手。これが、黙っていたらどんどん先に進めてしまう施工者と同じに見え。逆に、小さな身体でも諦めず相手のミスを取り込み自分のものとしたなでしこが設計者に思えて来た訳です。いや、もちろんコレはとてもご都合良い素晴らしいイメージの膨らみですが、一転して、ゴール前まで力を振り絞って走らなければ結果は出なかった訳ですから、むしろそれが設計者のまずい姿に思えた訳です。

むろん結果はどうであれ、余程の事がなければ建物は完成してしまうのが世の常。ですが設計・施工共、その経過にどれだけの諦めないストーリーを孕んでいたかで、建物が持つ良さも変わると思っています。経過が全てであり結果が伴う。その結果で人を感動に導けるかは、スポーツも建築も実は変わらないのだ。
そんな思いが、なでしこJAPANの優勝に重なりました。

セミナー「古代東アジアの木塔」

ホント倒れそうなくらい暑い日が続きますね。駅前でイチローも水浴びさせてもらって気持ち良さそう。

久しぶりに竹中大工道具館のセミナーを聴きに行きました。日本や韓国・朝鮮、中国の塔のお話。演台の箱崎先生が、この話は「話すのが難しい」と最初に言われただけあって、何をどう書けばよく分かりませんが、とりあえず。

塔と言えば法隆寺の五重塔。しかし、その設計法や施工法の技術はその当時どのような伝来であったか、まだまだ謎の多くが解明されていない様です。日本には他に比べると現存する木の塔は多く、遺跡も数知れずあるそうです。その遺跡の中には、法隆寺の塔が6〜9つぐらい入りそうな大きなものもあるのだそう。そんな塔が今も残っていたら、世界遺産だらけになるに違いありません。それに比べると、中国朝鮮の木塔は片手程しか無く、現存する塔はどちらか言えば石やレンガのもの組石造だそう。もしくはその混構造になるようです。また塔と言うよりも堂と捉えられるような建物が多く、日本の状況は世界的にも類を見ない木塔乱立国と言ってよいのかも。

ただ特に朝鮮の木塔が現存しない理由のひとつとして、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に多くが焼き尽くしたのだとか。なんちゅう事をするのでしょう。もし現代でそんなことしたら、日本は間違いなく四面楚歌状態にです。丁度この間観たNHKの大河ドラマ「江」がそんな秀吉をやってたところ、岸谷五朗の顔を思い出してしまいました。北政所と共に止めさせるべきでした。であれば、今日の話はもっと面白くなったかも。

スライドで紹介される中、やはり日本の職人の技はスゴい気がします。それは美意識なのか、どう考えても他に比べると複雑な構造を求めていたようにも思えます。ただ、何故だろうと正直思うのは、現存する最古の塔・法隆寺が一番美しいバランスでスマートに建っているように思えてなりません。聖徳太子の美意識は並々ならぬものだったのか?それだけでなく法隆寺の伽藍のバランスも、現代の美意識に一番近い気がするのです。その点だけ捉えて自分なりに考えれば、もっと後期なものであっても良さそうなもの。美意識の変遷がどのようにあったのか。そう言えばそうした時代のそうした建物にまつわる話はあまり聴きません。主観的になりそうで、難しいテーマだから?現存の資料が少なすぎるのでしょうか。そんな研究をされている方の話があれば、是非に聴いてみたい気がします。

 

宮内建築「飯道山を望む家」を見学させて頂きました。

ブログのデザインを一新してしまう事にしました。細かいところは気になりつつも、ついつい手を入れたくなりいつまでも終わらず、肝心の記事がひとつも増えない。我ながら何しとる?と言う事になりそうなので、もうええわいっと気分転換です。

それはそれで、先日の日曜日。
滋賀で進めている住宅の計画は、宮内建築という滋賀の工務店さんにお願いすることで進めています。その宮内建築の宮内棟梁の計らいで、甲賀市にある小さな住まいを施主さんと共に案内していただきました。柱も梁も間伐の10センチ角の柱材だけで組まれた小気味良い構造の木造住宅です。青空の下に延々と広がる田んぼを取り込む素敵なロケーションにまずやられてしまいました。

今回は宮内さんが手掛けられた住まいを拝見するとともに本題としては、この住宅の真ん中に座るレンガで積まれた蓄熱式暖炉を見せて頂くことでした。メースンリー暖炉と言うのだそうですが。日本でもまだ数少ない暖炉です。お住まいの方に使い勝手など聞くと、結構手間いらずな様子。心配していた施主さんも、この迫力にやられた様子で是非やりましょう。となりました。

が、事前のイメージではとても無理だろうと思っていたものですから、電気式の蓄熱暖房の計画で進めていました。プランをすっかり一新せねばならなくなりそうです。こちらはブログのように気分転換と言う訳にはいきませんが、それはそれで楽しみになってきました。

デザインとユーザビリティ

つい最近、グーグルの検索画面とカレンダーがなんだかスッキリしたデザインに切り替わった。ぐっと見やすくなって、どちらか言うと機能に傾いたグーグルのイメージとちょっと違う。スケジュールの管理はほとんどグーグルのカレンダーを使っているから、なんとなく嬉しい。そう言えば、写真のサイト「picasa」もちょっとデザインが変わっていたな。それぞれ使い勝手も若干良くなった気がして、もう少し積極的に使おうかな。と言う気にさせてくれる。

まだベータ版だし試していないが、グーグルが今一番目玉にしているソーシャルネットワーク「Google+ プロジェクト」のデザインは本当に良さげな感じがする。Facebook よりも日本人の好みに向いた仕様になっていると記事を読んだけど、個人的にはそれよりもこのデザインに惹かれている。ちょっと使ってみたい気がします。Google+ の記事を探して読んでみると、どうやら元 Apple の方が関わっているそうだ。それでだけで、訳も分らず「ナルホド」と納得してしまう。

なかば趣味でブログやサイトのデザインも自分でやっているからよく分かるが、サイトのデザインは見た目だけでなくユーザビリティがとても重要。自分のサイトは、どんどん崩れて行くから正直目も当てられない。始めの内は良かったのに、アレコレしている内にプログラムはくちゃくちゃ、デザインもどこをどういじれば良かったのか訳が分らなくなってしまう。まさしく建築の設計も同じ。ものづくりには共通することだと思うけど、始めのコンセプトをしっかり見定めないと魅力は生まれない。

そんな訳で、Google+ に刺激を受けて、凝りもせずブログのリニューアルを目論んでいる。と言うか、チョロチョロ始めているところ。最終的には、物件の紹介サイトとブログを切り離して極力シンプルに読みやすく楽しんでもらえるサイトを目指そうと思っています。

断熱工事の検査を終了。

今日はようやく現場の断熱工事があらかた終わって、長期優良を兼ねたフラット35Sの中間検査を受けました。現場に着く前にすぐ近くにある工務店さんの事務所へ寄ったので、スタッフがひと足先に立合に向かいました。少し遅れて現場に着くとなぜか人影無く。しばらくしてスタッフが現れ、検査は1分で終わりました。あらそ、様子を見ればこりゃ十分と思うかもしれないが、ちょっと早すぎでは?

入荷の遅れたサッシがようやく入って、現場にも動きが出てきました。3ヶ月は完全に失った感があります。このところ急な暑さに気持ちがばてそうですが、ここでもうひとフンバリ。現場を去る直前には玄関ドアが搬入もされました。月が変わって、残りの工事をスマートに進め、停まった時間を取り戻したいところです。