アクリルの切り文字

完成直前となった店舗の正面看板に取付けられる切り文字材料です。
1センチ厚のアクリル板をレーザーカットしています。
看板は、ビス止めされるこのアクリル文字の上にステンレスの切り文字を重ねて完成します。
浮き文字の下地になってしまうのですが、抜き取る前の状態が面白くて、
看板屋さんの邪魔をしながら、写真を撮らせてもらいました。
切り文字のパズルのようにも見えます。
アクリル文字だけ貼られた状態もなかなか恰好良い感じでしたが、
耐候性が強い訳ではないので、いずれはくすんでしまいます。
と、言う事で仕上がりはステンレスにしています。
あんまり嬉しがっていたので、看板屋さんが切り残りの板をくれたのですが、
慌てて帰って来て忘れてしまいました。
現場に残してくれていると嬉しいんですが、ガラクタが増えるだけかも。

正月明けてからの急テンポな展開も一段落。
しばらくは、落ち着いてブログも書けそうです。

未来都市

昨日、2号線の車屋さんに自動車の定期点検に行って預けている間、
その近所をウロウロしながら街の風景なんかを写真に撮っていました。
最初に目に止まったのが写真の塔。
車屋さんの丁度目の前にある森永乳業近畿工場です。
これが工場の施設なのか、ただのモニュメントなのかさっぱり分かりませんが、
子供の頃に想像する宇宙ステーションのような不思議な形。
周囲の施設より一段と高く、よく目立っていました。
そこからまた小一時間ほどウロウロと散策。
付近は工場か普通の住宅地しかありませんが、
普段歩かない場所を探索してみるのは面白いものです。
日頃デザインを考える時、どちらか言えばスッキリ格好良くとかつい考えてしまいますが、
こうして、街を歩いて目に止まる物は逆。
ゴチャゴチャとは言わずとも、どことなくイカツイものや無骨なものについ惹かれます。

未来の都市を想像する時、大きく二手に分かれるような気がします。
スッキリ整理された未来か、ゴチャコチャ整理のない未来。
対極とは言い切れませんがマンガに例えると、鉄腕アトムVSアキラ。
幼少の頃に持った未来イメージはもちろん鉄腕アトム寄りでした。
丸やら三角やら四角やら、そんな形を組み合わせて未来の街を描いていたと思います。
しかし、小学生になってヤマトのガミラス星地底都市?に衝撃を受け、
中学生になってガンダムのスペースコロニーに憧れを持ち、
大学生にアキラやブレードランナーの工場的な未来図に感化されていきました。
良いか悪いかは別にして、現実的なイメージが未来を支配し始めたような感じです。
正直、明るい未来に見えませんね。
最近の映画やアニメに描かれる未来都市はますます複雑怪奇になるか、
異様なほど現実感を帯び、現実感を喪失したバーチャルな風景だったりします。
丸・三角・四角では現せない未来は、果たして良いのか。
今の子供たちにとって未来はどんな風に現されるのか、なんだか気になります。

ピカソ

先日、ショップカードが事務所に届きました。
去年の夏、以前からご縁もあってキャラクターデザインの依頼をお引き受けした
大阪豊中市にある創作菓子工房「Simarisu」さんのショップカードです。
店をされる奥様と2ヶ月ほどやりとりしながら出来上がった3ポーズのひとつ。
名は「ピカソ」。命名はご主人です。随分立派な名を頂きました。
届いたピカソ君のとぼけ具合に、我ながらニヤニヤた。
住宅街でひっそりとされている「Simarisu」さんのケーキやクッキーは、
ひとつひとつ楽しんで作られている暖かさがあります。
ピカソ君と一緒に、そして幸せそうに頬を膨らませてもらえたら。
残るポーズもどんな風にあらわれるのか、とても楽しみ。
またいずれ、ご紹介できるかと思います。

まずは、創作菓子工房「Simarisu」へ。

ニュアンス

出来上がる雰囲気を伝えるのも、望んでいる雰囲気を掴むのも、
これほど難しいものは無い。
こんな雰囲気、あんな感じ、どんな具合?
施主さんとの会話もそうだし、監督さんや職人さんとの会話も同じ。
伝えたいことは一体どこまで伝わるのだろう。
数字で表される事や、理屈で表現できるならまだしも、
数ある仕事の中で、建築ほど曖昧極まりない仕事は無いかもしれない。
と思う事はしばしば。
計画始めの施主さんとのやり取りの中でも、どれだけ希望を正確に掴めたかなど、
到底自信の持てる事では無い。
ましてや見積の段になると、書面にこそ数字は出ていても、
果たしてその金額で間違いなく完成出来るかは、実際には具体的なものでは無い。
なんちゃら工事一式なんて見積を一体どうして信じれるのか?
きっと出来るに違いない、というニュアンスで対応しているにすぎない。
なのにそんな見積の事はおかまい無しで、
こんな雰囲気、あんな感じ、と好きに言ってしまういい加減な設計者。
見積以上の仕事をさせられて工務店さんはブイブイ言ってるかもしれないが、
( 間違いなく工事中はそう思っている。に違いない。 )
それでも出来上がって、施主さんに望んでいた様にできました。
と言ってもらえれば、一緒になって喜んでしまう。
最後にいいニュアンスで終われば、まま良い結果と言う事になる。
でもやってる最中は、そのニュアンスに行き着けるかどうかハラハラしてしまう。
のです。

慈光院

奈良へ行った帰りに、ちょっと寄り道して慈光院まで。
このお寺には、これで4〜5回来ています。
とは言え何年か振り。
この地の大名でもあった石州という茶人の建てたお寺で、
荘厳な寺院と言うよりも茶室の風情が漂っています。
参拝料を払えば、お茶と茶菓子がもらえるから、という訳でなく、
なぜか落ち着ける好きな場所の一つです。
平日なので人気もなく、赤い毛氈の敷かれた広間に一人座れました。
パノラマに見える借景の中に白いビルが見えてしまうのは致し方無しとしても、
勇壮に広がる庭を前に、贅沢な時間が過ごせます。
が、来る直前に掛かって来た電話で余韻はそこそこ、駆け足で現場へ。
ひと時でしたが気持ちが広がった気がします。

慈光院

あと半月

ワタワタしている内に、2月も半ばが過ぎました。
昼の日差しが心持ち温い気がしても、まだまだ肌寒いです。
今日は午後から、店舗の現場に行ってワタワタと打合せ。
業者さんと入れ替わり立ち替わりで、アレコレしてる内、
落ち着いて現場の様子を見る時にはもう夕方、
身体が冷えきってしまいました。
はよ、温〜ならんかな。

去年は、西宮で雪が積もった様子を見た憶えがありません。
ブログを遡ってみると、西宮に積もった雪の写真を載せているのは2005年の12月。
今年は雪さえ見ないのかな、と思いきや、朝起きてみたら雪。
今、事務所近くで店舗の内装をさせてもらっています。
現場までチャリンコで雪の中。普段見る風景が一変してました。
監督に、エラい日にようチャリンコで来ますね〜。と言われるが、
西宮にいると一年に一度ぐらいの事でしかありません。
温暖化の事を考えると、全く無くなる可能性だってあります。
事務所に戻っても、足先を電気ストーブに押し当てて、しばらく動けず。
ようやく動き出しても、もう、ええ時間です。

鉛筆とシャーペン

現場で大工さんが使っている鉛筆。文房具屋さんでは、見たことが無い。
建築用鉛筆。現場で時たま見かける。
書き味が違うのだろうか?幾人の大工さんに聞いてみると、折れにくいのだそうだ。
写真の鉛筆の硬度は2H。さて、他の2Hより硬いの?どうなんだろう。
大工さんの一人はコレで無ければ、UNIだそうだ。どことなくこだわっている。
確かに高い鉛筆の書き味はなめらかで、線を引く時の引っ掛かりがない。
日々デッサンを繰り返していた受験時代。
HiーUNIは高くて、普段はUNIを愛用していた。
小銭をはたいて使ってみると(そんな訳はないが)うまくなった気がした。
デッサンをやり始めたころ、固いモチーフには硬い鉛筆、柔らかいモチーフには柔らかい鉛筆。
6Hから6Bまでナイフとフォークみたいに取り揃え、気合いだけはイッパシだった。
なのに鉛筆のせいには出来ないが、最初の受験は大失敗。
役に立たないおまじないだった。
次の年、通った予備校の方針でHB一本になった。かろうじてだろうが、なんだろうが合格できた。
道具は揃えりゃいいってもんじゃない。と身に染みた最初の経験のはずだった。
数年経ち、
そんなことをスッカリ忘れ、建築を勉強しはじめるとシャーペンに凝りだした。
0.3、0.5、0.7、0.9、と今度は太さを揃え始めた。どうやら懲りていない。
がある時、一本のシャーペンだけで豊かな表現をする人に出会い衝撃を受け、
完璧に感化され以後、0.5一本になった。
そうした経緯の中でも、最後に気に入っていたシャーペンはTOMBOの製図用だった。
重心がやや前目。そのバランスが微妙に良かった。
長く愛用していたシャーペンは、つや消しのマットな表面がすっかりツルツルになっていた。
先が折れて使えなくなったシャーペンを、今も捨てきれずに置いている。
モニターを眺めマウスをグリグリしてる今も、実は同じ様な事をしている。
自宅には、受験時代にケースで揃えていたUNIが今も大量に残っている。
マウスを持ち替えて、もっと鉛筆を持たないと。と思う事が最近増えた気がします。

カキノイエ:リビング、バスルーム